【令和3年版】事業承継で使える補助金や助成金は?要件や事例を解説

公的機関への申請書

日本では中小企業は全事業者の99%以上を占めています。そして、帝国データバンクの調査結果によれば、国内企業の65%以上が後継者不在の状態です。

こうした背景があり、日本経済を支えている中小企業の存続を支援し、経営資源を次世代に引き継ぐために「事業承継・引継ぎ補助金」が創設されています。

この記事では「事業承継・引継ぎ補助金」について解説します。事業承継で悩んでいる中小企業の経営者の方や事業の買収を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

「事業承継・引継ぎ補助金」とは?

「事業承継・引継ぎ補助金」は、事業承継やM&Aなどを契機として経営革新に挑戦する中小企業や、経営資源の引継ぎを行おうとする中小企業を支援するための補助事業です。

この事業の目的は、中小企業の多くが後継者不足や経営者の高齢化という問題に直面している現状を踏まえ、事業承継に際して中小企業の経営資源の引継ぎに要する経費(M&Aに係る仲介手数料・デューデリジェンス費用、設備投資・販路開拓など)を補助することです。

「事業承継・引継ぎ補助金」には2種類ある

「事業承継・引継ぎ補助金」は、以下の2つより構成されています。

  • 事業承継・引継ぎ補助金(経営革新)
  • 事業承継・引継ぎ補助金(専門家活用)

それぞれについて、以下でもう少し詳しくみていきます。

「事業承継・引継ぎ補助金(経営革新)」とは?

「事業承継・引継ぎ補助金(経営革新)」は、事業承継やM&Aを契機として経営革新に挑戦する中小企業を支援する制度です。

そして、以下の3つの類型があります。

  • 【Ⅰ型】創業支援型
  • 【Ⅱ型】経営者交代型
  • 【Ⅲ型】M&A型

補助を受けるための要件は?

それぞれの補助要件について確認しましょう。

【Ⅰ型】創業支援型の補助要件

創業支援型、つまり創業して間もない会社を対象にした補助です。

「廃業を予定している者等から有機的一体として機能する経営資源を引き継いで創業して間もない中小企業・小規模事業者であり、以下の1及び2の要件を満たすこと」で、補助を受けることができます。

  1. 創業を契機として、引き継いだ経営資源を活用して経営革新等に取り組む者であること。
  2. 産業競争力強化法に基づく認定市区町村又は認定連携創業支援事業者により特定創業支援事業を受ける者等、一定の実績や知識等を有している者であること。

【Ⅱ型】経営者交代型の補助要件

後継者に事業を引き継ぐ際に対象となる補助です。

「事業承継(事業再生を伴うものを含む)を行う中小企業者等であり、以下の1~3のすべての要件を満たすこと」で、補助を受けることができます。

  1. 事業承継を契機として、経営革新等に取り組む者であること。
  2. 産業競争力強化法に基づく認定市区町村又は認定連携創業支援事業者により特定創業支援事業を受ける者等、一定の実績や知識等を有している者であること。
  3. 地域の雇用をはじめ、地域経済全般を牽引する事業等創業を契機として、引き継いだ経営資源を活用して経営革新等に取り組む者であること。

【Ⅲ型】M&A型の補助要件

企業の買収や合併などを機に対象となる補助です。

「事業再編・事業統合等を行う中小企業者等であり、以下の1~3のすべての要件を満たすこと」で、補助を受けることができます。

  1. 事業再編・事業統合等を契機として、経営革新等に取り組む者であること。
  2. 産業競争力強化法に基づく認定市区町村又は認定連携創業支援事業者により特定創業支援事業を受ける者等、一定の実績や知識等を有している者であること。
  3. 地域の雇用をはじめ、地域経済全般を牽引する事業等事業承継を契機として、経営革新等に取り組む者であること。

補助の対象になる経費は?

補助金の対象は以下の通りです。

  • 事業承継・引継ぎ後の設備投資、販路開拓費用等
  • 廃業に係る費用(廃業登記費、在庫処分費、解体費、原状回復費等)

事業承継後に変革を行うには、多くの費用がかかります。補助対象になる経費は多いので、事前に確認しておくとよいでしょう。

補助額・補助率は?

類型ごとの補助額や補助率は以下の通りです。

 

補助率

補助上限額

【Ⅰ型】創業支援型

2/3

400万円

【Ⅱ型】経営者交代型

2/3

400万円

【Ⅲ型】M&A型

2/3

800万円

事業スケジュール

事業スケジュールは以下の通りです。

公募期間

  • (一次公募)
    2021年6月11日(金)〜2021年7月12日(月)18:00まで
  • (二次公募)
    2021年7月13日(火)〜2021年8月13日(月)18:00まで

交付決定日

  • (一次公募)
    2021年8月中旬(予定)
  • (二次公募)
    2021年9月中旬(予定)

事業実施期間

交付決定日〜最長2021年12月31日(金)まで

事業完了報告期間

交付決定日〜2022年1月中旬(予定)まで

交付手続き

2022年3月下旬(予定)

「事業承継・引継ぎ補助金(専門家活用)」とは?

「事業承継・引継ぎ補助金(専門家活用)」は、事業承継やM&Aによって経営資源の引継ぎを行おうとする中小企業を支援する制度です。

そして、以下の2つの類型があります。

  • 【Ⅰ型】買い手支援型
  • 【Ⅱ型】売り手交代型

補助を受けるための要件は?

それぞれの補助要件について確認しましょう。

【Ⅰ型】買い手支援型

「事業再編・事業統合等に伴う経営資源の引継ぎを行う予定の中小企業者等であり、以下のすべての要件を満たすこと」で、補助を受けることができます。

  • 事業再編・事業統合等に伴い経営資源を譲り受けた後に、シナジーを活かした経営革新等を行うことが見込まれること。
  • 事業再編・事業統合等に伴い経営資源を譲り受けた後に、地域の雇用をはじめ、地域経済全体を牽引する事業を行うことが見込まれること。

【Ⅱ型】売り手交代型

「事業再編・事業統合等に伴い自社が有する経営資源を譲り渡す予定の中小企業者等であり、以下の要件をみたすこと」で、補助を受けることができます。

  • 地域の雇用をはじめ、地域経済全体を牽引する事業等を行っており、事業再編・事業統合により、これらが第三者により継続されることが見込まれること。

補助の対象になる経費

補助金の対象は以下の通りです。

  • 事業引継ぎ時の専門家の活用費用(仲介手数料、デューデリジェンス費用等)

専門事業者に仲介や調査を依頼した際の経費に適用することができるため、利用機会は比較的多いでしょう。

補助額・補助率

類型ごとの補助額や補助率は以下の通りです。

 

補助率

補助上限額

専門家活用型

2/3

400万円

事業スケジュール

事業スケジュールは以下の通りです。

公募期間

  • (一次公募)

2021年6月11日(金)〜2021年7月12日(月)18:00まで

  • (二次公募)

2021年7月13日(火)〜2021年8月13日(月)18:00まで

交付決定日

  • (一次公募)

2021年8月中旬(予定)

  • (二次公募)

2021年9月中旬(予定)

事業実施期間

交付決定日〜最長2021年12月31日(金)まで

事業完了報告期間

交付決定日〜2022年1月中旬(予定)まで

交付手続き

2022年3月下旬(予定)

「事業承継・引継ぎ補助金」の申請方法

補助金の申請には経済産業省が運営する補助金の電子申請システム「jGrants(Jグランツ)」を利用します。ただし、申請するには「gBizIDプライム」アカウントが必要です。アカウントの取得には2~3週間程度要するため、早めのアカウント取得手続きをしましょう。

申請にあたっては、事前に中小企業庁のホームページや公募要領の内容を確認して、補助金制度に対する理解を深めるとよいでしょう。

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