宅建業を営んでおり、年齢を重ね引退を検討しているが後継者がいない、という経営者の方は、どのようにして後継者を募集するとよいのでしょうか。
今回は、不動産業の後継者募集についてさまざまな観点からみていきます。
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目次
不動産業の後継者募集は増えている?
そもそも、後継者不足は多くの不動産業における問題として顕在化しているのでしょうか。
不動産会社の数はどれくらい?
後継者不足について説明する前に、まずは不動産業界全体の会社数の推移について紹介します。
宅建業者(不動産屋)の数は年々増加しています。令和3年度末の調査までに8年間連続で増加しており、その数は約13万業者です。
このことだけを見ると、不動産会社が後継者不足に悩まされ、廃業に追い込まれる状況があるとは思えません。しかし、増加要因まで目を向けると、後継者問題とは関係ないことがわかります。
新規で免許を取得したのが6,609業者あり、前年より639件増加しています。それに対し、廃業が5,155業者あり、前年より768件増加しています。(全体で約1,500業者の増加)
つまり、新たに宅建業を始める人が増えているため数自体は増えていますが、同時に廃業も数を伸ばしており、後継者不足もその一因として影響している可能性が伺えます。
出典:令和 3 年度末 宅建業者と宅地建物取引士の統計について|不動産適正取引推進機構
不動産業界は後継者が不足している?
別の角度からもみていきます。
2021年2月の「全国社長年齢分析」によると、社長の平均年齢は年々高齢化が進んでいます。そのなかで最も平均年齢が高い業種が、不動産業です。
別のデータで、中小企業における60歳以上の経営者の半数以上は、廃業することを考えているという結果がでています。理由はさまざまですが、やはり多いのは、加齢に伴って後継者に事業を引き継ぎたいが、その相手がいないこと。つまり、後継者がいないからと廃業を考えなくてはならなくなっているというわけです。
上の表からわかるとおり、不動産業の社長の平均年齢は62.2歳です。当然、60歳以上の割合がかなり多くなるため、これらのデータから多くの会社で廃業を検討していると推測できます。
不動産業の後継者募集について調べる人は増えている?
更に別のデータから、傾向を紹介します。
Googleの検索回数がわかる同社の公式ツールで調べると、「不動産 後継者 募集」が2021年1月には月に約10回ほどしか検索されていなかったのに対し、2022年1月には約70回検索がされています。年平均で見ても増加傾向にあり、何らかの理由で関心が高まっていることがわかります。
不動産会社の経営者が後継者を募集する方法
前提として不動産業で後継者が不足していると考えると、具体的な後継者探しの方法もポイントになります。もちろん廃業するという選択もありますが、長い年月をかけて築いてきた会社を清算すると、金銭的にも心情的にもマイナスが大きいでしょう。
ここで、具体的な選択肢について考えてみましょう。
- マッチングサービスを活用する
- 求人を掲載する
- 事業承継する
順にみていきます。
マッチングサービス
近年はスマホの普及でマッチングサービスが広く一般的になりました。これに伴い、インターネット上の交流の場としても使えるこのサービスを使って、後継者候補を募るというやり方も現実的でしょう。地域に特化したサービスなら、地域密着の不動産会社でも、理想的な出会いがあるかもしれません。コストが安いこともポイントです。
ただし、デメリットもあります。ひとつは、後継者としてふさわしい相手かどうか見極めるのが難しい点です。サービス自体は誰でも参加できてしまうため、軽い気持ちの人や適正がない人も近寄ってきてしまうかもしれません。
また、後継者を探す世代の経営者の方であれば、若者のように新しいアプリケーションに親しんでおらずそもそもサービスが使えないことも考えられるでしょう。
求人
求人サイトで従業員として募集し、一緒に働くなかで任せられそうか見極める方法もあるでしょう。後継者として募集してもよいですが、求人サイトの利用者はそれを目指しているわけではないため、調整は必要でしょう。求人サイトによっては手厚いサポートがあるのも安心材料です。
しかし、従業員から育てるとなると時間も労力もかかります。すぐに辞めてしまう可能性もあります。ゆっくりと見極める時間がある方にのみ可能な選択肢かもしれません。
事業承継
後継者不足解消の手段として最も注目されているのが、事業承継です。
「不動産会社の後継者=新たな経営者」と考えられれば、事業自体を譲渡することのメリットは大きいでしょう。不動産会社の経営で手にした資産を現金などに換えられるほか、事業としては潰れることなく続くため、顧客や従業員などにもメリットがあるでしょう。
手続きや買い手探しが難しいというデメリットもありますが、最近はM&Aの仲介を行う会社が増えているので、不動産業に強い会社に依頼すればスムーズに進められるでしょう。
不動産会社の後継者募集ならM&A仲介への依頼が最適
前章で紹介した通り、事業承継は後継者募集の選択肢のなかでも有力な候補です。もし事業承継を考えるのなら、どのような手順にて検討を開始すればよいのでしょうか。
ここで、不動産業の事業承継の流れについてもう少し詳しく説明します。
▼例)事業承継の流れ
- M&A仲介会社に相談する
- 無料相談で経営する不動産会社の状況について整理する
- 事業承継の進め方などの提案を受ける
- 仲介会社と契約する
- 仲介会社が候補となる会社を探す
- 面談や調整を経て買い手を決める
- 専門機関などが売買する事業者や取引に問題ないか精査する
- 事業承継する
不動産業はさまざまな業態があり、またどのような買い手かによってその後の会社経営の形が大きく変わります。そのため、仲介を執り行う会社は不動産業界に詳しい会社であったほうがよいでしょう。少なくとも、担当者はそのあたりに明るい方を選ぶべきです。
当サイトでは、不動産業界に特化したM&Aサービスをご提供しています。後継者募集における事業承継についてご提案できますので、迷っている方は、お気軽にお問い合わせください。
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